2004年の秋にホームページを開設してから今現在で一年余りが経ちました。
初めは個人的にちょっと切迫した事情があって、訪れてくれる人がいるかどうかも構わず、 容れ物に新たに付け加えてゆくというホームページ本来の志向よりも、ただ書き溜めたものを保存陳列するだけという未練がましい気持ちの方が強かったのですが、 いざ始めてみると静止したページがつまらなく思え、少ないながらも訪れてくれる人が確実におり、それはとても嬉しく、 その稀少な人達の為にだけでも更新をしたいというホームページ開設者の真っ当でしかし新奇な欲望が確実に生まれ、 もう詩に値すると思えるものなど書けないと思っていた私を発奮させて、今に到っています。
不思議なもので、自分の言葉のマンネリを感じて詩など捨ててしまっていたつもりが、長らくの中断を経て改めて言葉に向かうと、かつて私を捕らえて放さなかった言葉への情熱が再燃されてきます。 それが果たして、人生の終盤に向かいつつある者にとって幸せなことなのかどうか、ぼくはもう問いません。 相変わらず詩への疑問はあり、ぼくの身体を通して湧き出てくる言葉が詩と呼べるものを分有しているのかどうか確かな思いがある訳でもなく、 ただ、長年私を悩ましてきた詩と非詩の境界などもうどうでもよくなって、衰微してゆく現在の私にできる限り正当に、つまらぬ事はつまらぬまま言葉したいという思いでいっぱいです。
そんな現在面を中心に据えてホームページをリニューアルしたくなりました。保存陳列の未練ものはそっくり倉庫に移します。 リニューアル後に新たに訪れてくださった方で、特に若い方は、倉庫の方を覗いてみて下さったほうが共鳴できそうなものが転がっているかもしれません。 詩としての言葉のベクトルを幾分かでも生成できたと思えるものは、そちらのほうの自分では捨て難いガラクタに挟まれてあると思っています。
本人の思い込みに反して、言葉の整形も何も十年一日なような気がしないでもなく、題名を振らないなど相変わらず不親切極まりないですが、言葉の食傷にめげることなくお付き合い下されば幸いです。
'08年から止まってしまって、今、なんと2025年です。
生活の窮迫が先ず大きかったです。詩を形作ろうとする意欲と根気が、それには意識の有りようをそちらに振り向ける時間の余裕がどうしても必要なのですが、 生存生活に追われて、それが失なわれてしまいました。自由詩のような、社会空間における価値リターンが全くと言っていい程ない領野では、尚更そんなものの維持は難しいです。
とは言え、一息つけるようになると、又ぞろポツリポツリと書き出している。自由詩という簡便な表現の魔力に取りつかれた習い性? 心の等価を言葉の形にしたい欲求? 幾つになっても、因果なものです。
セキュリティが確かな今のHTMLの仕様に倣うと、前のような作りができず、仕方なく、さかのぼって大量の俄かな題を振る仕儀になりました。大変でした。 見やすさは前の方が良かったように思えますが、ここを訪れて下さる奇特な方にとっては利便さが少しは増したかと思います。