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1.かたつむり   *** 赤色 は自選、クリックで開きます。(開かない時は▲をクリック)



かたつむり かたつむり
なぜ のろい
おおきな 紫陽花の 葉っぱの上で
停まっているのか 進んでいるのか
あんまりじれったくて
関心を失くしてしまったら
かたつむり なんの早業
となりの葉っぱに ワープしていた

2.タイタン


土星の最大の月
タイタンはだいだい色で
メタンが満タンなんだってさ

ねえ おい
信じられるか?
遠くの碧い地球で
人間生物が撲殺しあっているだなんてこと

地球のお月様
お願いだからさ
壊れそうな家々の 閉ざされた こころの 床に
あなたの淡い 不可思議な息吹きを
ぼくの窓にも
青く差しかけてください

3.春の土俵


弥生のみどりと
相撲を取ったら
ことばは完敗しちまった

だからおいら
土俵下の川っぺたに寝そべって
(萌黄)もえぎの(紅)くれないの目覚しいけぶりの
粉光る風の揺らぎを
たんぽっぽの綿毛のように
ゆらいでいることにした

4.どんぐり


ポロックル コロックル
あなたの心よ
道端にはどんぐりが転がっている
カールした木の葉が
木枯らしの鬼から逃げてゆく
さざめく晩秋のシンフォニー
枯葉たちの乾いた潮騒
襟を立てて さあ
到来する冬を瞑想しよう
秋陽にまどろむどんぐりの寡黙のように

5.野いちご


真っすぐな白い一本道の
大地がとっても眩しかったから
心を空に放うり投げ

点点と輝く
野いちご、食べ食ぁ〜べ♪

道ゆく風と
千切れ雲を追っかけ
そぞろ歩けぇ〜ば♪

後ろ髪を引っぱる
あの娘の唇のように

口が真ぁっ赤にぃ〜♪
染まぁ〜るよぉ♪♪

6.くるしいくる


くるくる
くるしいくるが
やってくる

いったい何だってんだ
とっくに消えちまったんじゃなかったのか

とおいきおくの夜明けから
ゆか板はがしてやってくる
ひさしを濡らしにやってくる

ぼくのいきるを追いかけて
ぼくのいきるを待ちうけて
なん度もなん度も穴をほり

せかいの梯子をたおしまくって
いきるが穴から出れなくなって
もう蝙蝠が飛び出さなくなるまで

7.コロコロこころ


こころよ、こころ
ファイ、こころ
こころって、いったい、何なんだ

赤(あか)青(あお)黒(くろ)
黄(き)緑(みど)橙(だいだい)

ファイトだ、こころ
夕陽に沈むこころ
ぽっかり海に浮かぶこころ

コロコロ、こころ
ころげるこころ
ぶちかるこころ、群青色に玉突きに

いつかこころと、ワを、かきたい
わ、わ、
和解したい

8.腹ぺこ黄金虫


腹ぺこ黄金虫
目が回って着地に失敗
一本足のきのこの柱に
鼻っ面をぶっつけて
もんどり打って、でんぐり返った

おなかの鎧に
粉雪パウダーが降りつもって
6本足の先っぽの鍵爪で
6回掻いて順に食べた

きのこの虹の味がして
口の周りのパウダーを
拭くものなくて
茶色のレースの羽で拭った

9.ペンペン虫


や〜い弱虫
弱虫 弱虫 ペンペン虫
いつまでも
いつまでも ひっくり返って 泣いていろ

その内 夜露も滲み出して
腹の凹みに 溜まるだろう
胸の粗目を 均すだろう

知ったこっちゃない星々だって
月の雫の水浴に
あら、って
遠くの宇宙で輝く、かもね


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