ヒートアイランドを抜け出して見つけた空は小麦粉のよう

 

いく億の気孔はまたたきのよう あの木は体鳴楽器であった

 

右眼から左眼までのさみしさは夏の光に誤魔化されおり

 

世界樹の枝にぶらさがっている君より高く僕は飛べるか

 

青年の背筋に沿って黒い幹葉のきみどりを脱ぐように立つ

 

恐いものなんて何もないはずだったハックルベリー・フィンの朝

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Photograph by Emi Komagata

Tanka by Toshiaki Azuma, Yukinori Ikeda, Rin Ekuni, Rie Satoh, Masami Sawamura, Akemi Nakamura, respectively.