木漏れ日を独り占めしているおまえ 近づくことが出来ないおまえ

 

オルガンの調律の音に包まれて らの音が決まるまでの春風

 

捨てにくい言葉のようにここにいる君はしずかな光を放つ

 

あの電柱まで走ろうそうして後ろの誰かに手を振りたい

 

はつなつの青葉若葉を振り仰ぎ名前で呼ぶにはまだ早すぎる

 

細い梢の辺りに探す夏雲のやわらかい日は水のにおいを

 

囀りは高く木霊してやまず我は何から置き去られゆく

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Photograph by Emi Komagata

Tanka by Toshiaki Azuma, Yukinori Ikeda, Rin Ekuni, Takako Kuroki, Rie Satoh, Masami Sawamura, Akemi Nakamura, respectively.