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エンジン関係 1K9編(GT80純正)

※本内容は、素人によるメンテです。 チャレンジする場合は、自己責任にてお願いします。

エンジン改造   ピストンリング&ガスケット交換      クラッチ交換       クラッチオイルシール対策  

   スペア エンジンン交換    当たり取り   腰上メンテ  2年点検

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 エンジン改造

   ヤフオクで3万5千円で落札したGR80エンジン1K9(腰上) + 374(腰下)型です。5速で、72cc、5.9ps/7,000rpm、トルク0.61kg/6,500rpm、最高速度は、約88km/9,000rpmという仕様で約60kgの車体には充分なパワーと思います。(仕様の各数値は、サービスマニュアルより抜粋) エンジンオイル注入口から内部のギヤを見ると新品のように綺麗で、またピストン、シリンダー内部は、縦キズが無く、圧縮も強く良いエンジンでした。パワーフィルターとキャブも付いていましたが、GT50エンジン使用時に購入した、ビックキャブレターVM20を使うので、未使用のままヤフオクに出品しました。
 エンジンは、フレームにネジ3本で固定されているだけなので、容易に外せ、重さも約10kg程度でしたので問題無く交換できました。写真の右のエンジンは、今まで使用していたFTT型49ccのエンジンです。調子の良いエンジンですが、使わないで保管しておくより、焼きつきなどで困っている人の役に立った方が良いと考え、ヤフオクに出品しました。
 GR80のエンジンは、ミニトレのオリジナル仕様のマフラーと干渉するため、写真の黒マジックのところを、金属切断用のグラインダー(近くのホームセンターで約1000円で購入した品)で、市販作業台の上でしっかり固定して、防護メガネをかけて無事カットできました。シリンダーとの接触面の部分は、ガムテープでマスクします。黒マジックの標しは、フィンとフィンの谷間を切断するようなところにします。
 シリンダーも一部マフラーと干渉するため、写真の黒マジックのところを、同様にカットします。上下2枚分のフィンをカットする必要があります。最終的にマフラーとは、約5mmクリアランスがあります。カットし過ぎると放熱効果への影響が大きいのでギリギリまでのクリアランスにしました。
 切断部のサビ防止などのため、シリンダーヘッドは、シルバー、シリンダー側面は黒の耐熱塗装を行い、フレームに取り付けました。取り付け寸法の問題はほとんど無く、スムーズに付けられました。

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ピストンリング&ガスケット交換(平成17年 12月25日クリスマス。18年6月3日)

 エンジンの調子が悪い訳でも無かったのですが、GR80のエンジン入手時に、シリンダーを外してピストンを点検した際、クランクケース側のガスケットの一部を破いてしまい、そのまま戻して乗っていました。 先日新品のガスケットを購入したので交換し、ついでに、ピストンリングも交換しました。交換作業は、約2時間でした。

 今回交換するパーツです。左の写真から、ピストンリング、シリンダーヘッド側のガスケット、クランクケース側のガスケットです。各部品番号は、部品情報に記載してます。
 写真は、ピストンピン固定用リングを片側だけ外し、ピンを少し押し出したところです。加工精度が高く、かなり抜くのが硬かったのですが、プライヤで引っ張り何とか抜けました。この時、コンロッドのベアリングとのガタが無いかなど点検します。

 バイクメンテの書籍によると、写真のようにピストンリング下が茶色くなっている場合は、リングの広がり力が弱くなって、オイルが上手く潤滑出来ない現れなので交換が必要との事です。(2006.6.3)

 左の写真はクリーニング前の状態です。シリンダーヘッドは、エンジン入手時にクリーニングしたので、約6ヶ月間で半分くらいカーボンが貯まっていました。ラジコンのエンジンは、走行毎にエンジンを分解して、磨いていましたが、バイクは半年毎で良さそうです。
 左の写真は、クリーニング後です。ピストンとシリンダーヘッドは、写真右のボンスターという石鹸付きスチールウォール (カインズホームで6個入り98円) を使用したところ、直ぐにカーボンが落ち綺麗になりました。拭いた後、細かい粉状の物が出るので、シリンダーには、内部の細かい隙間に入り込んだら取れなくなるので使用できません。粉は、スプレータイプの部品クリーナーで、取ります。クランクケース側のガスケット部に付着している汚れは、ラジコンエンジンで良くピストン磨きに使っていたピカール(左写真ピストンの上)を布に着け磨きました。.クリーニング後、各部品には、エンジンオイルを塗ります。
 ピストンリングの溝内は、ワイヤブラシで磨き、ある程度とれました。クリーニング後、ピストンリングは、写真のようにノックピンの部分で、写真のような向きで取り付けます。サービスマニュアルには、刻印が上と書いてありますが、刻印はありませんので、この向きを忘れないようにして、2nd、Topの順で取り付けます。
 ピストンをコンロッドへ付ける向きは、写真のようにピストン上部の矢印が排気口側を指す方向にします。新品のガスケットにもエンジンオイルを塗り、取り付けます。
 写真は、シリンダーヘッドのナットを締め付けている様子です。レンチで締め易いように袋ナットを探したところ、DSで4本800円もしたため、長さ30mmのナット(ドイトで40円/本)を付け、中に水が溜り、錆びないように、その上を六角のネジで塞いでいます。写真の奥のナットは、塞いでいない状態です。このネジは、アーシングのターミナルの固定にも役立っています。あとは、マフラーとタンクを付け完成して、キックしたところ、交換前より圧縮が上がったような感じです。ラジコン同様ブレークイン(ならし走行)として、回転を上げないように、最高速50km/h程度で約10km走行しました。

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クラッチ交換(平成17年12月30〜31日大晦日)

  12月に入ってから、朝の始動直後の加速中、約50から60km/hの時、クラッチが一瞬滑るため回転が上がる現象が、1〜2回起き、その後約10分程度走行すれば直ります。 クラッチの消耗が考えられ、交換しました。 交換後10kmテスト走行した結果、滑り現象は出ず、以前よりスムーズに切り替わるように感じます。朝の始動確認は、大晦日に約20km走行した範囲では、問題無しでした。

 写真は、YSPより購入したクラック関係の消耗部品一式です。左上より、クランクケースカバーガスケットで、カバーを外した際、破けてしまうため、交換します。その下の左から、コンプレッションスプリング(4個)、クラッチプレート(2枚)、フリクションクラッチ(3枚)、右上が、クッションリング(3個)です。各部品番号は、部品情報のページに記載しています。
 今回の作業で一番大変だったのが、クランクケースカバーのネジを緩める事で、25cmのダルマドライバーを金槌でいくら叩きながら回しても、びくともしませんでした。そこで、写真上の、つぶれたネジでも回せるというAeroblcs2というドライバーを、ドイトで1,280円で買い(インパクトドライバーは、高価な為)3回程度叩くだけで全てのネジが外せました。写真中央は、ヤフオクで5,800円で落札した新品のトルクレンチで、下のハードケースが付きます。ホームセンターや工具店を探しましたが、小さいトルクの物は有りませんでした。このトルクレンチは、ドイツのブロクソン製で、5〜30Nm(約0.5〜約3kgfm)のトルクで締められ、コンプレッションスプリングの締め付けに使用します。
 マフラーを外してから、オイルチューブを固定しているインマニのネジを外し、チューブをフリー状態にします。ミッションオイルは、3週間前に交換したばかりですが出します。まだ、オイルは綺麗なので、新品のガスケットや、クラッチ板に塗る為に使います。
 キックペダルを外してから、クランクケースカバーを外したところです。オイルポンプは、そのまま付けています。
 プレッシャープレートを外したところです。
 左の写真は、交換部品を外したところです。右の写真は、部品を外した順に並べて、取り付ける時の参考にします。今回外したクラッチ板は、3枚共厚さが、3.5mmの標準のままで(規格3.2mm以下交換)問題ありませんでした。クッションリングの厚さは、新品より約1mm縮んでいました。クラッチプレートは、ガラス板の上に載せ、反りを見たところ異常無しでした。
 コンプレッションスプリングの自由長は、4個共に31.5mm(規格29.5mm以下で交換)で新品と同じでした。念のため今回、全て新品と交換しました。
 滑らず密着し易いように、上限に近い約0.7kgfm(0.4〜0.8kgfm)で締めました。この後は、こびり付いていた、古いクランクケースカバーガスケットを綺麗に剥がし、新品と交換しました。
 クランクケースカバーの固定ネジは、写真ようにM6の六角サスネジに交換しました。新しいミッションオイルを規定量入れた後で、以前購入したオイルゲージに目印を付け、交換直後用にチェックし易いようにしました。軽く走行後、日常点検では、ゲージ先端の膨らんだ部分(部品情報参照)にオイルが有れば基準内です(3M8取り扱い説明書に記載)。

 以上交換作業時間は、約2時間でした。次回は、クランクケースカバーのネジが直ぐに外せるので、1時間程度で出来ると思います。

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クラッチ(プッシュロッド)オイルシール対策(平成18年1月4日・3月26日)

 上述のクラッチ交換のきっかけとなった始動時の滑りは、その後のテスト走行で解ったのですが、ミッションオイルの量が、正規500ccに対して300cc程度しか入っていなかった事が原因であろうと思いました。 オイル漏れの原因は、プッシュロッドオイルシールが少しずれて、隙間からミッションオイルが少しずつ漏れていました。 このオイルシールは、簡単な圧入で差し込んでいるだけなので、振動やショックでずれたと考えられます。周辺の他のオイルシールは、Eリングできちんと固定しているので、このずれは設計的に起きません.。 今回、外れ防止対策をして、効果があったので紹介します。

 このオイルシールは、下述の2A4エンジンも、入手時より面位置までずれており、少しオイルが漏れていたので、3月26日に新品に交換しました。構造的に外れ易いと云えます。外した古いオイルシールの内部には、ロッドの部分を押えるバネが無く、新品の物は改良されているようで、現在入手できる部品情報の物への交換をお勧めします。

 写真は、プッシュロッドに差し込んでいる黒いオイルシール(厚さ5.5mm、直径15mm)が、外側に約5mmずれているところです。 このまま元に戻し、約10km走行した後、3mm程度ずれ、少しオイルが漏れていました。オイルシールが劣化して、ずれ易くなったと思います。当然即YSPに発注ですが、入手までの間このままでは乗れないので、対策を考えました。
 写真左のように水道などの水漏れ防止で使う、シールテープをプッシュロッドに巻き、内径Φ6mm用のワッシャーを付けます。 ドイトで、サス製Φ6mmの押しバネを買い(280円)、長さ25mmにカットした物を、写真右のように付けます。この状態で、クランクケースカバーを付ければ、バネがオイルシールを押さえるので、もう外れません。バネが強過ぎるとクラッチレバーが、重くなるので25mm程度がベストです。このバネは、新品のオイルシールに交換した後も、外れ防止で付けておいた方がベターです。

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チェンジシャフト オイルシール交換(平成18年5月18日)

  三浦半島一周ツーリングから帰宅後の翌日に、スタンド下にオイルがΦ2cm程度溜まっていて、漏れ出た場所を探すと、チェンジシャフトのシールからと解りました。 前日のツーリング中すり抜けで、低速走行が多かったのでチェンジペダルを多用したのが引き金と思われます。 交換作業は、約30分程で終わり、部品も安いので、予防修理としてお勧めです。オイルの残量は、点検後ゲージOK内だったので補充不要でした。

 写真は、交換前の状態です。 黄色の点線の経路で流れていました。手前は、昨日YSPから入手した新品のオイルシールです。部品番号は、部品情報に記載しました。
 写真左は、Eリングをマイナスドライバーで外し、ワッシャを外した後、金属部分にキズを付けないように、ガスケットの黒い樹脂の部分を少しずつ引っ張り、外した所です。 

 写真右は、新品のオイルシールを付けた後、分解の逆の手順で組立、パーツクリーナーで洗浄したところです。

   写真左は、新品と外した古いオイルシールです。赤線の断面図をそれぞれ書きましたが、古い方はテーパー状になるまで消耗して、シャフトとの接触面積が少なく、漏れたと思われます。

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スペアエンジン交換(平成18年12月31日)

   1K9のスペアエンジンも保管から約半年経ち腰上を分解し点検したところ、シリンダーの内面に、約1mmのサビ状の点が数箇所あり、動かしてないのがいけないと思い、2A4と一時的に入れ替える事にしました。  交換後、キック2回で始動して、メインジェットもそのままで、プラグの焼け具合もベストで、いつもの最高速が出る良さでした。 1K9のエンジン音は、2A4と少し違い、機関銃を撃っているような音で、いい感じです。

 写真は、交換前の2A4で、半年でプシュロッドのオイルシールから、オイルが少し漏れていたり、カバー側もかなり汚れていました。 点検ついでに、プシュロッドを引き抜き、段突き磨耗が出ていないか点検しましたがOKでした。
 エンジンを外したついでに、フレームの溶接部を中心に、目視で亀裂などが無いか、時間をかけて点検しましたが、約30年前のフレームにしては、ケッチと差が無いくらい良好で、安心して走れそうです。 クランクケースカバーは、2A4のまま、パーツクリーナーで綺麗にして使用しました。 1K9のシリンダーは、2A4の抱き付き対策のノウハウを生かし、全ポートをC1位の面取りをしました。

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ピストン交換後の当たり取り(平成19年4月21日早朝、平成19年5月5日追記)

   平成19年4月15日のツーリングで、IK9を初めて抱きつかせてしまいました。 爪での引っかかりが軽い縦キズ(スカッフ)だったので、サンドペーパーで磨けば再使用できる状態でしたが、数箇所あったので新品に交換しました。 均し走行後、当たり取りで分解してみました。 新品のピストンと、磨いたシリンダー共に傷が有り、当たり取りの重要性が解りました。 このまま取らずにいたら、何時かこの部分のオイル被膜が薄くなり、また抱きつくところでした。 

 写真左は、新品のピストンとリングを、約75km均し走行後で、リードバルブの所1箇所に傷がありました。 写真右は、ツーリングで抱きついたピストンで、同じ部分に傷が無いので、新品ピストン特有の当たりと解ります。 この部分は、1000番の耐水ペーパーで、ピストンとシリンダーの同じ部分を、クロス状に磨きました。 同日行った均しツーリングで、スムーズに回り、快調でした。 
 当たり取り前の圧縮が8.2kg/cm2、組み込み後7.7kg/cm2に低下してました。 原因は、シリンダーヘッド側のガスケットの手持ち切れで、新品使用後1回だけ再使用したため、隙間が出来ていたと解り、新品交換して、5月5日の高回転テスト走行で快調に走れました。

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腰上メンテ(平成19年7月16日海の日

   最近エンジン腰上付近の異音が少し大きくなったので、腰上をばらして点検しました。 抱き付き現象が起きなくても、シリンダーにキズが有る事が解り、異音もメンテのシグナルという感じです。 3連休2日は、雨でつぶれ、最終日は楽しいメンテができました。

 ばらしてみるとシリンダー排気口側に、爪に僅か引っ掛る程度の浅い縦キズが有りました。 ピストンにはキズが無く、写真上の5月5日のままでした。 シリンダーにキズが有ったという事は、ピストンリングが劣化していると思い、新品交換しました。 シリンダーのキズは、耐水ペーパーでクロス状に磨き、平坦にしました。 シリンダー上下のガスケットも新品に替え、その後約30km均し走行したところ、異音が減り、トルクUPした感じです。 

2年点検(平成21年11月29日

   倉庫にしまい約2年間冬眠した1K9を外に出し、お日様を久しぶりに浴びて点検したところ、昨日まで動いていたような良さでした。 2A4の故障がなければ、もう1年冬眠させようと思い、収納しました。

 シリンダー表面の錆が無いか心配しましたが、他のリードバルブ周辺や排気口内なども含めて、問題無しでした。 ミッションオイルの減りや、漏れも無くOKです。
 一番心配だったシリンダー内部の錆が無く、表面に粘度が高くなったエンジンオイルが残ってました。 オイルを新たに塗ってから、ピストンを動かしたところスムーズに上下しました。 この後シリンダーヘッドに付着していたカーボンをボンスターで落とし、エンジンオイルを周囲に塗り、ヘッドを元に戻し、新しいビニール袋で全体を覆い、倉庫に収めました。   

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