メイド日記八月分。


「あつい、あついよう」

「暑いアルか。それは困ったのことアル。そんな時はゲームでもするヨロシ」

「まっじっかっる、ばななっ♪暑いといったら真っ夏っ」

「真夏といったら炎天下っ」

「炎天下とォ言ったら、熱射病っ」

「熱射病といったら、ジャングッルッ」

「ジャングールーと言ったら、湿気っ」

「湿気と言ったら、梅ー雨っ」

「…」

「…」

「…一向に涼しくならんな」

「んだなす。間違いねえのす」


「それつらつらおもんみれば、大恩教主の秋の月は、涅槃の雲に隠れ、生死長夜の長き夢、驚かすべき人もなし…」

「…」

「ね、猫又が暑さでもうダメだーっ」

「ヲ、ヲベロンも独り言を言ってるよっ!

「…か、狩谷君の靴下…な、なっちゃんの靴下、こばと…」

「ザ、ザルデュシュトは暑さでもうだめだー」


「皆さんご無沙汰しております。本日のメイド日記、オーソドックスに読者からの質問に答える形でお送りしたいと思います」

「けして、お茶を濁して更新しようというんじゃないぞ」

「よけいなことは、いわなくていい」

「すまん」

「なんでめろんの手下がこげぱんなの?」

「ええと、これは新参者のワタクシにはお返事の出来かねる問題でございますね」

「こぶらくだのこぶー、こぶらくだのこぶー」

「ゴ、ゴシュジン、シッカリシロ!」

「…うるせえなあ」

「ゴシュジン!」

「これは、アレだな。駄洒落だ。めろんぱんとこげぱん。パンつながりだ」

「…違いますよ」

「あっ、ヲベロン、ようやく現れたアルな」

「そうだよそうだよ、いつまでリハビリとかヌルいことやってるつもりなのっ」

「いや、あの、めろんちゃんとこげぱんの関係の話は」

「そんなのどうでも良いのことネ!」

「HIT数が伸びている現在、ヲベロンさんには更新する義務とかがあると思います」

「お前最近ちょっとたるんでないか」

「…え?もしかして僕、今、釣られた?」


「この坂の辺りってさあ、なんか雰囲気悪いと思わない?」

「?」

「人通りも少ないのことだし、見通しは悪いし」

「言われてみると、そんな気もいたしますやね」

「…この坂、時々出るんですよ」

「……」

「出ると言っても、マーク・ダカスコスとかが出るんじゃないぞ」

「…呼んだ?」

「呼んでません」

「…そう」

「…な、何?い、いまの」

「テレビバン <ザ・クロウ>ノ シュジンコウ ヲ エンジタ ヤクシャ!マーク・ダカスコス!」

「まあ、それはおいといて、この坂に出るオバケの話なんですけれど」

「…オネエサン オレサマ ムシ!ヒドイ!」

「捨てギャグに解説を入れる汝もまた、人の事は言えぬと知るべし」

「ソーネ!ソノトーリヨネ!」


「今日のテーマは、サイト論です」

「ワタシ、そういう難しいのこと、嫌いアル。パスパスー」

「そういう偉そうな話始めると、収拾つかなくなるよねー」

「うむ?サイトロン?幻の177番目の原素が発見されたのか」

「こんな駄目サイトに来るような生臭いオタクどもにはそんな高尚な話、理解できないわよー」

「…ということなので、本日のテーマ、予定を変更して悩み相談をしたいと思います」

本日のお悩み

「忍者にならずに抜け忍になるにはどうしたらいいですか?」

「ペンネームは<ど根性ヤドクガエル>さんです。神奈川在住、17歳だそうです」

「無理だ!」

「ボクも無理だと思うなー」

「ソンナ!ミモフタモナイ!」

「そもそも抜け忍、って何アルか?」

「やっぱポニーテール、あんたバカねー」

「抜け忍、というのはですね、古くは安土桃山時代にさかのぼるんですけれど」

「抜け忍の抜は、抜歯の抜ー。抜け忍のけは、けだるいのけー。抜け忍の忍は、忍耐の忍ー」

「要するに、抜歯の痛みを耐えろ、と」

「どっとはらい」


「ヲベロンさんの独り言、聞きました」

「ていうか、今のところまだ一度もヲベロンの独り言聞いたことない人っている?」

「わしはまだ、聞いたことがない気がする」

「まあ、先生は耳が節穴だから仕方ないのことアル」

「…節穴で比喩されるのは目だよ。慣用句使うんだったらちゃんと使わないとさあ」

「ユーモアもウィットも解さない国語マニアは死ぬヨロシ」

「ま、まあまあ。お二人とも抑えておくんなまし」

「ていうか、大事なことを何一つ聞いていないうすら馬鹿を比喩する形容詞ってナニよー」

「えーと…<右から左>…とか?」

「やい、<右から左>!」

「何おう!」

「…」

「…」

「なんかさあ、いまいちピンとこないんだけどー」

「で、ヲベロンさんの独り言なのですが」

「<僕なら、殺すね>」

「あら、メイドさんも聞いてらしたんですか」


「早く萌え絵の認定を受けたいもんだわいなあ」

「先生には夢がおありだそうでござんすね」

「萌え絵に群がったオタどもに手の平を返して、やつらを蹴散らかすような気色の悪い渦巻きばかりの絵をヲベロンに描かせるのが夢だ。夢というか、目標だな」

「…」

「どうした」

「いやな目標でござんすね」

「実際わしもそう思う」


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