メイド日記6月後半。
「先生、先生、お茶が入りましたよ」
「うむ。わしはワールドカップを見ているのだ。邪魔してはいかん」
「先生、先生、聞いてらっしゃいますか」
「うむ」
「……あの」
「うむ」
「…先生、先生、ご懐妊でござんす。お産みになられますか」
「うむ」
「……(微妙な笑い)」
「あんたさあ、そいつと喋ってて楽しい?」
「…は、はい?(狼狽)」
「なんで猫又ばっか人気あるんだろ?」
「あと、ンダナス?あれも異様な人気アルな」
「忘れちゃいけないサックインターネット!何で?何で皆、あたしよりこっち好き?何で?つうかなぜ?」
「オマエ、一人で何を興奮しているのことか」
「そういうわけで、本人達に聞いてみようターイム」
「……」
「人気をゲットする秘訣は何ですか?」
「すべて世の人気は泡の如く。進んで儚きものを求める心持、身どもには理解しかねる也」
「…」
「やい、猫!悟ったようなこと言ってると、あんた皮はいで三味線にして、残りは汁にして食うわよ!」
「楽器に生まれ変わりて後世に姿を残す、それもまた一興也」
「本当に達観してらっしゃるんでございますね」
「人気の秘訣は、人気を求めないことなのかもしれませんね」
「…あんたたち、その台詞本気で言ってんの?」
「ともかく、残りの二人にも聞いてみようターイム」
「…何とかターイム、って、きょうびダメ合コンとかでしか聞かない言葉アルな」
「まあ、それはいいとして、人気の秘訣をお二人に聞いてみましょう。どうなんですか、そのへん」
「ロックンロール!イズデッド!」
「んだなす、まちがいねえのす」
「…」
「に、日本代表が、ま、負けた。オー、ノー」
「残念だったねー」
「あとちょっとだったアル」
「時に、例の<信頼できる情報筋>は、このことを予言したのかね」
「や、道頓堀に飛び込む人数を当てただけだったよ。勝敗については何も言ってなかった」
「盲点アルな。勝敗のことも聞いておけばよかったアル」
「……盲点?」
「聞いたんだけどさあ、ヲベロン、メイドまんが描いたんでしょ?」
「あ。はい。一昼夜、寝ずにやりました」
「ワタシ達出てるのことアルか?」
「あ。はい。一昼夜、寝ずにやりました」
「聞くところによると、メイド日記そのまんま、だそうですが」
「あ。はい。一昼夜、寝ずにやりました」
「ていうか、出演したのは誰なんですか、そしてどういう話なんですか」
「…」
「…」
「…」
(本日のメイド日記はこの射撃講習会にみなさんが出かけてしまったため、おやすみです)
「いやあ、楽しかったわい。ビームライフル講習会」
「これで、いつザクが攻めて来ても大丈夫ですね」
「でも、わざわざ宇宙まで行くなんて、すごい講習会だよねっ」
「また行きたいかと聞かれると、ちょっと悩みますけどね」
「オレサマ ウチュウショク モウ イヤ!カンソウシタ
モモ ナンテ モウ タベタクナイ!」
「まあ、三食全部、フリーズドライの桃ってのぁ、さすがにワタクシも萎えましたねえ」
「そこで<お茶漬がやっぱり一番>とか言ったらいかんぞ」
「そういうのはサザエさんに任すのことアル!」
「あーっ、<ごきげんよう>の録画予約、失敗してやんのーっ!」
「…そう、きたか」
「やあ」
「…!」
「…や、どうしたの?他の皆は」
「…セントウ」
「戦闘?」
「フロ」
「なんか最近、他の皆、仲いいねえ」
「ウウッ…オレサマモ イッショニ ビームライフル
ウチニイッタ!オレサマ ナカマハズレ チガウ!!」
「や、や、泣くなよう。別に仲間外れなんて言ってないだろー」
「ヲベロンコソ、ビームライフル ウチニイッテナイ!オマエコソ
ナカマハズレ!ウウウッ!」
「んだなす。そのとおりだなす」
「…この鳥……ッ!」