セーラー服日記ッス。


「おかしいなあ、寄り集まって木を揺らすという伝説の虫、おだるがこの村にいると聞いたのに…」

「なっ、お、オマエ、ここ、名物料理があるのこと違うアルかっ!?」

「うわー、すっかり騙されて連れてこられちゃったねっ」

「…む、虫マニアに騙されるとは、私もヤキがまわったのこと…」

「ま、いいじゃん。ハイキングだと思って楽しもうよっ」

「…汝の小さき夢やいかに」

「あっ、ね、猫又さん?」

「 高 校 に は 、 夏 休 み の 自 由 研 究 な ど な い ! 」

「元祖マザコン、冬彦さんの趣味も、昆虫の標本作りであった!」

「コンチュウ ハ ゼンゼン オイシクナイ!」

「…あっ、こげぱんさんだ」

「オマエ、しばらく見ないと思ったらそんなことしてたアルか」

「駄目だよー、ちゃんとお風呂入らなくちゃー」

「ウ…!」

「あいや。夢を壊せなんだ。失敗ならば、いざ、逃ぐるにしかず」

「ソーネ!」

「 汝 ら 、 覚 え て お く が 良 い! 」

「アオーン!」

「逃げた…」


「時にメイドよ」

「はい、なんでございましょう」

「夏休みは何をしておったのかね」

「…イ、インターネット?」

「…」

「なんですか」

「いや、メイドの趣味が<祭り>らしい、という手紙が来てな」

「………」

「どうした。顔色が悪いぞ」

「…いえ。別に」

「どうでもいいが、わしら、倦怠期のカップルみたいだな」

「……………………」


「さて、此度は先日の我らの失敗に思いを馳せたれば、げに反省すべきこと多きかな」

「 や は り 、 人 気 投 票 一 位 は 、 孤 高 な る 隊 の 目 的 に 合 わ ぬ の で は な い か 」

「あいや客人よ。かの小さき者を責めたとて詮無きこと。あの失敗、我らの慢心も多分に因ありや」

「 な ん と 。 猫 又 殿 は 心 の 広 い 」

「しからば、次はひとつ、驕りを捨て、手強い相手にでも挑もうかと思うのだが」

「 し て そ の 相 手 と は 」

「身どもは次に、めろんの小さき夢を壊そうかと思う次第也」

「 そ れ は 相 手 に と っ て 不 足 な し ! 」

「しからば、明日決行ということで如何か。こげぱん殿にもその旨、伝えおき願いたい」

「 腕 が 鳴 る な 。 伝 言 は 我 輩 に 任 せ お く と よ い 」

「かたじけにゃい」




















「こげぱんよ」

「アオッ?」

「 我 ら 夢 壊 し 隊 、 明 日 は 天 王 山 ! 詳 し い こ と は 言 え ぬ が 、 準 備 せ よ ! 」

「ヨシ!ナンカ ワカンナイケド オレサマ ガンバル!」

「 期 待 し て い る 」


「汝、我が前に立ち塞がれど、我らの妖怪魂は消えじ」

「 い ざ 破 壊 せ ん 、 小 さ な 夢 ! 」

「横浜ベイスターズは、来年も優勝することがない!」

「漫 画 ベ ル セ ル ク は 永 遠 に 完 結 し な い ! 」

「あ、あぁっ!?」

「我ら、これより修羅に入る。死をおそれず、破滅を恐れぬ。ここを終の棲家と思えばこそ、地獄の軍勢と化して汝の小さな夢を破壊するものなり」

「 め ろ ん の ゲ ー ム 化 、 ア ニ メ 化 は あ り え な い ! 」

「浦和レッズはJ2に落ちかねない!」」

「う、ううーっ!なんかわかんねーけど、むかつくっ!レッズファンだと思われてるくせーっ!」

「 さ あ 、 こ げ ぱ ん 、 言 っ て や れ 」

「ゴシュジン…!」

「あっ、こげぱん!何遊んでんの!」

「ピ、ピ、ピーター・アーツ ハ モウ カコ ノ …」

「…こげぱん、その先を言ったらどうなるか判ってるわよね」

「アオッ…オー」

「おっ、喧嘩ー?」

「こげぱん、帰って来たのことアルか」

「いえ、結構剣呑な雰囲気のようですよ」

「こげぱん、ピーター・アーツが過去のなんだってー?」

「アーツ ハ カコノ エイコウニ マケナイ ツヨイ オトコ!モウイチド カエリザク!」

「ああ、にゃんたること」


「3万ヒットー!」

「三万アクセスー!」

「おっ、もうそんな季節かね」

「…………」

「何よー、こげぱん、そんなカンペみたいな紙持って、なにしてんのー?」

「ん、なになに?…『ヲベロンさんはえらい!ザルデュシュト2はおもしろいサイト!』…?」

「…これって、ヲベロンさんの字じゃござんせんか?」

「うわー、出たあ!買収騒ぎ!作者が動物にペイマネーだあー!」

「お前、恥ずかしくないのか、そんなあからさまに犬をさせられて」

「ウウ…」

「オイ、めろん、またこげぱんがバカにそそのかされて何かやってるアル。止めるヨロシ」

「…こげぱん…あんた、体は売っても心だけは売らないって、お姉ちゃんと約束したじゃないの…ッ!」

「ゴ、ゴシュジン…ッ?」

「なーんちって嘘プー!…てゆーっか、こげぱん!あんま調子乗ってると、ぶーっころすわよーっ」

「アオッ!オレサマ ワルクナイ!ニンキトウヒョウ アイカワラズ イチバン!」

「てめーっ、いつまでも過去の栄光にしがみついてーっ!待てえーっ!」

「…」

「……まあ…相変わらずということで、よろしんじゃござんせんか?」

「じゃあ、まあ、それで」

「祝!三万ヒット達成!です!」

「オマエは空気読むヨロシ!タイミング遅いアル!」


久しぶりに、ヲベロンさんが独り言してるの、聞きましたよ」

「おっ。何、最近てんぱってんの?」

「かもしれません。とり憑かれたように<コラボレーション>って繰り返してました」

「わー!あいつ、懲りてねえのー!?」


「こにちはー!めろんでーっす!」

「ゴシュジン!ハリキッテ ドウシタ!」

「べつにー!」

「さては、萌えロワ2開始が近付いてるせいでござんすすね?」

「ばーか、あんなの来年に延期だよー!決まってんじゃんかよー!」

「……」

「ここだけの話、あたし、金賭けてんだよね!七十万!萌えロワ2再延期に七十万!」

「儲かったら奢ってくれますか」

「あたぼうよー!鉄板だぜーっ!」

「今日の午前中は♪時給♪六千円♪」

「おっ?ホント?…じゃ、よこせよ」

「え?や、ちょ、意味わかんないッス、や、わ、待って、イタタ!」

「萌えロワ延期は鉄板なの!だからこのレース、突っ込めるだけ突っ込むんだよー!だからよこせー!渡せー!」

「待って!そのお金はタカシの給食費なのよ!あなた!あなたー!」

「るせー!すぐ倍にして返してやらァ!心配すんなー!」

「何の騒ぎアルか?」

「……薄幸ごっこも、なかなか楽しいなあ」

「あの、ヲベロンさん、お金とられたまんまですが…」

「………あっ!」




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