セーラー服日記。
「お、またヲベロンのやつ、発作的にデザイン変更したアルな」
「まったくこらえ性がないというか、新しもの好きというか」
「いいんじゃない?軽くなったしー」
「28000ヒット記念とか、そういうことかなあ」
「でもさー、なんか、このデザイン、オサレくさくねーっすかー?」
「……もてたいのか」
「先生?」
「夏をひかえて、もてもてをめざしてるんだな!ゆるせん!」
「……」
「ねー、さっき先生がすげー走ってったんだけど、何、あれ」
「ところで、皆さん、こげぱんさん見てませんか」
「あ、そういえばお風呂入れたのー?」
「え、ええ。めろんさんに手伝って頂いて、どうにかお入れしたんですが」
「それが途中で逃げ出しちゃってさー、それっきり姿見えないんだよねー」
「めろんさんが、途中でこげぱんさんに噛み付いたりするから…」
「あんただって、レモン水で洗おうとしたじゃんよー」
「それは、あの、汚れが落ちるって、本に書いてあったからで」
「……どんなバスタイムですかそれ」
「こう暑いと、狂いそうになって困る。猫は存外暑さに弱い動物であるとこの歳になって初めて知れり」
「 暑 気 払 い に 八 つ 当 た り な ど は
い か が か 」
「そはにゃんと。奇天烈なことを考える御仁なり」
「 は け 口 の な い 鬱 憤 な ら 、 人 間
ど も に ぶ つ け れ ば よ い こ と 」
「聞けば聞くほど妖怪としては正道のように思えリ。さて、客人は我々は手始めに何をすべきと考えるか」
「 う む 。 子 ど も の 夢 を 壊 す の は
い か が か 」
「にゃるほど。思えば身どもは子どもと関わりを断って久しい。そは盲点なり。詳しく聞かせたまえ」
「 そ こ に い る の は 誰 だ ! 」
「ハッ!」
「 止 ま れ 」
「オ、オレサマ ナニモ キイテナイ!ホントウ!」
「 嘘 つ け 」
「我らの秘密、知ってしまったが不幸と知るべし」
「ゴ、ゴシュジン!ゴシュジーン!」
「えっくしょい」
「あ、めろんちゃん夏風邪ー?」
「馬鹿は風邪引かないのこと、大丈夫アル」
「ばかな!あたしだってSARSにはなるわよーっ!」
「SARSと風邪は、あの、違うんじゃないかと」
「ソーネ!」
「夏のおひさまが、とっても気持ちいいわねー」
「見て!ありんこ!誰かの吐いた痰にたかってるよ!きったねー!」
「あんまりよそ見してると、道に迷うわよー?」
「ねえシスターアラスカー、ヲベロンさんってホントにこっちの方行ったのー?」
「 止 ま れ !」
「えっ?」
「さて小さき子らよ。そなたたちに恨みこそなかれども、我ら古き者ども、集いむすべり」
「 汝 ら の 小 さ き 夢 、 壊 さ せ て い
た だ く ! 」
「えっ?…ちょっ、なっ、どうしたの?」
「サンタなどいない!」
「 夏 休 み は ず う っ と 雨 だ ! 」
「……」
「……」
「うふふっふ、うふふ、うふふっふ、にゃあ。見よ客人、あの顔を。我ら存外うまく成功せり」
「 は は は は ! 我 ら 妖 怪 も 捨 て た
も の で は な い な ! 」
「……あ、あの」
「行っちゃった…」
「ちゅーかよー、誰かこげぱん見なかったー?」
「ぶふ、ぶふー。ぶふー。ぶふー」
「先生、なにをしてらっしゃるんですか?」
「コミケごっこだ」
「……うっわあ」
「ううむ、髪をかたっぽだけゆわくというと、まっさきに思い浮かぶのは松浦彩であって…」
「オマエはオマエで、何してるアルか」
「いや、ここで、この時期にあえて<れもんちゃん>を出すというのも面白いんじゃないかと思ってキャラデザを」
「コンセプトは<今更感>!だよっ!ズドラーストヴィッチェ!」
「……」
「ほら、怖いのが来たのことアルぞー」
「ヲベロンよー、おめー、まだ懲りてねえのかよー」
「や、冗談、冗談だってば!うわー!」
「あ、ヲベロンさん逃げた」
「いやあ、危なかった。ここまでくれば追いかけてこないに違いない」
「 止 ま れ ! 」
「われら、夢壊し隊!汝のちいさき夢、壊させていただく!」
「うわっ、な、ナニッ!?」
「タマちゃんは死んだ!」
「 年 金 制 度 は 早 晩 崩 壊 す る ! 」
「ショウセツ ノ ドウジンシ ガ ウレルワケ
ナイ!」
「………」
「 見 よ 、 あ の ま ぬ け 顔 ! 我 ら 、
ま た も や 成 功 せ り ! 」
「うむ。特に、こげぱん殿の攻撃が効いた模様にて候」
「オ、オレサマ スコシ テレル!」
「 最 初 は 口 封 じ す べ き か と 思 っ
た が 、 汝 、 案 外 有 用 だ な 」
「しからば次の標的を探すべし。いざ」
「 ふ は は は は は は は ! 」