メイド日記2003年


「あら、度忘れ」

「どうかしたのことか?」

「かげろう、って漢字はどうやって書きましたっけ」

「…」

「<蜻蛉>だよ」

「それ、とんぼって読むんじゃないのか」

「MS−IMEでは、その漢字で<かげろう>とも読むみたいでござんすね」

「丁度イイやつがいるんだから、あの虫オタクに聞いたらいいじゃない」

「ナイスアイデアですな」

「は、ははは、はい!なんでしょう!」

「あんた、ちょっとこの漢字読んでみなさいよー」

「…え、えーと、さ、さば…」

「…」

「(小声で)…あの、メイドさん、二番目の漢字は<レイ>って読むんですよね…?」

「あ、ええと」

「なんだ、虫マニアは漢字が苦手か!がっはっは!」

「先生!無神経ですよ!あの年頃の女の子に向かって面と向かって<バカ>だなんて!」

「バカとまでは、言っていにゃい」

「ルロロロロロロッロ」

「あっ、聞いたことない鳴き声!なんて虫かしら?待て待てーっ」


「あーあ」

「どうかしたアルか?」

「ヲベロンさんがこういう感じになると、長いですよ」

「まあ、お陰で私たちの出番も増えるのことアル。別に構わないのことネ」

「でも、一応慰めとく?」

「えーっ、めんどくせーっ!」

「おい、虫マニア、おーい」

「先生、女の子なんですから、名前で呼んであげてくださいまし。かわいそうでござんすよ」

「おーい!キル沢ー!…って、こんな苗字じゃ虫マニアって呼ばれたほうがましだ!おい!虫マニア!」

「先生、あんまりです」

「まあともかく、やつを呼ぶのだ」

「は、はい!呼ばれました!あの、毒なめくじの標本作ってたら手が離せなくって!」

「(毒…なめくじ…?)」

「なあ、なめくじって虫だったアルか?」

「ともかくだ。おまえ、命令を忠実に聞いてそのうえ人を一刺しで殺せるような毒を持った虫、飼ってないか」

「先生、それ、何に使うんですか」

「知れた事よーっ!身のほど知らない例のうすらオタに送りつけるのよねーっ?」

「め、めろん閣下、ここでそんな大きな声で言ってしまっては身も蓋も」

「あ、あの、こんな虫は、ええと、如何でしょうか」

「…ぢくぢくぢくぢく」

「その虫はダメーっ!」


「バレンタイン、終わってしまいましたね」

「…なぜ、わしにチョコを贈らん」

「あら、欲しかったんですか」

「そのくらい察せ!バカモノ!」

「…先生、チョコ、欲しかったんでございますか?」

「なんだ、それ!この、オマエ…」

「いるわよねーっ、くださいって言わなくても義理チョコなら勝手に持って来てもらえると思ってるやつって!」

「オレサマ ゴシュジンカラ チョコ モラッタ!ウレシイ!」

「あら、それはようござんしたね」

「…」

「?」

「……そうなの?」

「何がー?」

「ふつう、くれって言わないと、義理チョコもくれないものなのか?」

「間違いにゃかるべし」

「お、ひさしぶりアルな!」


「オレサマ!ニンキモノ!イチバン!」

「あら、よかったですね」

「こげぱん、意外と人気あるのことアルな」

「存在感薄いのにね」

「オレサマ イチバン アオーン!」

「…」

「先生?どこに行かれるんでござんすか?」

「やかましい。用事じゃ」

「でもさー、折角だからお祝いしようよっ」

「いいですね。皆で軽くお酒でも飲みながら、とか」

「わ、わわわわ、わたしも連れてってもらっていいんですか?」

「制服で来たら殺すのことアル」

「ワタクシも久々の外食に胸が躍りますね」

「私、居酒屋そろそろ飽きてきたのこと…」

「…」

「…あっ」

「…こげぱーんっ!てめーっ!」

「ゴ、ゴシュジン!」

「ふふ、ふふふふ」

「先生、自分に票が入らなかったからって、めろんちゃん呼んでくるなんて、そんな、陰険な」

「妬み、嫉み、人の世の常とはいえ、実にかなしかるべし」

「ゴシュジン!オレサマ ワルクナイ!」

「んだなす。そのとおりだなす」

「えーい、うるさーい!」

「ゴシュジン!ネタミ ヨクナイ!アオーン!」

「だまれーっ」


「どうしよう…困ったわ」

「あら、どうかなすったんですか」

「実は、ちょっとした人生の壁にぶつかってしまって」

「何、何っ?どんな壁っ?」

「なんだボク娘、ずいぶん嬉しそうだな」

「だってさーっ、久々の出番だよっ!」

「う、う、腕が鳴ります法隆寺!」

「んだなす。たすかにそのとおりのす」

「虫マニア初めてのギャグをさらっと流す…ッ!」

「鬼アルな」

「オレサマ ニンキモノ!ディフェンディング チャンピオン!アオオーン!」

「ソーネ!マッタクモッテダワネ!」

「こげぱんの自己アピールまでもッ!さらっとッ!」

「さすが瞼が下側についてるような生物アルな」

「して、話を戻すようですが、おねえさんがぶつかられたのはどのような壁でござんしょうか」

「メイドさんまでッ!」

「逆ファンサービスやね」

「お前はお前で、微妙にキャラが変わってないか」

「ほっとくがよいのこと!」

「ええ、万が一、私が妙なことを口にしても、笑わないでくださいよ?」

「任せ置くべし」

「…<きょいきょい>って具体的にはどの行為を指すのですか」

「おっと直球ーっ!」

「いや、あの、マジで困ってるんですけど」

「こりゃー、事情通のあの人に聞かなきゃ判らないのことアル」

「そだねー」

「ってわけで続く!」

「続くっつってマトモに続いた試しがないわけだが」

「うるせーっ!」


「さて。25000ヒットも間近に迫る今日この頃なりけるは」

「皆様においてはいかがお過ごしでしょうか」

「なにしてたって同じ!だよ!コパカバーナ!」

「(無視して)今回、久々にキリ番前に準備する心の余裕がございますので、色々構想などを」

「<きょいきょい>の話がまだ未回収!だよ!エンゲージ・アンド・キルゼム!」

「…アイヤー」

「なんかアイツ、まともな事言ってるよー」

「いやらしいわ。作者に都合のいい台詞なんか喋ったりなんかして」

「まあ本来なら、あの役目はボク娘なわけだが」

「タイヘン!イナイ!イナイ!」

「いなーいいなーい、んばぁーっ」

「キャッ、キャッ(喜)」

「続いてぇー、べろべろべろべろべろーっ」

「キャッ、キャッ(喜)」

「…」

「ハッ!」

「二人とも、なにしてるんですか」

「オレサマ コンナコト シテル バアイ チガウ!タイヘン!ボクムスメ イナイ!ドコニモ イナイ!」

「ボ、ボク娘さんなら、さっきあっちの方で新企画、新企画ってスキップとかしてましたけど…」

「はて。ヲベロンも昨夜、寝言で新企画がどうのと申しておったものを」

「ははーん。こりゃあ二人で新企画の会議しとるに間違いないねー」

「なにーっ!わたしの更新もほっぽっといて、新企画ですとーっ!?」

「許せないアルな。ヲベロンとボク娘を、見つけ次第殺害するのことアル」

「ヲベロンのやつは、これ以上手を広げるつもりなのか。人間ハロープロジェクトと呼んでやろうかあいつ」

「だから、これからはキャラを削ったり、コーナーを削ったりするつもりらしいよ!リストラクチャー!」

「………?」

「え?」


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