「コレ以上苦シイコトハ厭デス」と海から砂がほどける浜辺

 

すきですきでたまらなくいる波打ちが彼方へのびてまっすぐになる

 

波音に締めつけられてまなうらの溢るる海を解き放ちたり

 

さらさらと体の中で粉薬溶けてゆくよう自分を許せば

 

長すぎた嵐の夜が過ぎ去れば海が許してくれるからいい

 

春霞む楼を運んで来るような 波の向こうの砂浜にいる

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Photograph by Emi Komagata

Tanka by Toshiaki Azuma, Yukinori Ikeda, Rin Ekuni, Takako Kuroki, Rie Satoh, Masami Sawamura, respectively.