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エンジン抱き付き対策

※本内容は、素人によるメンテです。 チャレンジする場合は、自己責任にてお願いします。

 オイルポンプ ギヤ交換  オイルポンプ排出量確認

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 YSPやホンダ販売店情報で、平成19年に排気ガス規制で2輪旧車のピストンは、供給停止にする行政指導があり、純正ピストンの入手が難しくなると言われています。
 この貴重なピストンをお釈迦にする焼き付きや、抱き付きは、2STユーザーとして、最も気を配らなくてはならない上、高速巡行中に起こる事が多く、直ぐ後ろの車などと接触する可能性が高く、専用ページを作成し、再発防止の参考にしようとしました。 
 写真は、平成19年10月日光いろは坂手前のトンネル内で抱き付いたピストンで、リングと一緒にいつも眺めて原因と対策を検討しています。 
 抱き付きは、ピストンが、シリンダーと接触する現象で、原因は大きく2つ有り、異常燃焼で、シリンダークロスハッチ状のキズ部(油溜り部)のオイル被膜が切れ、リングの摩擦が大きくなりピストンが振動して、シリンダーと接触する場合と、クリアランスが大きい事による首振りと云われるガタで振動して接触する場合と、その両方が重なって起こる場合が有ると考えられます。 オイル不足が原因の場合は、混合仕様にすれば解決ですが、ガソリンスタンドで、毎回給料量が異なり、25:1〜50:1と言われる範囲にその都度オイルを計算して給油したり、長距離ツーリングでオイルを持って走るのはイマイチです。 併用という手もありますが、混合比が多めになった時のカーボンの堆積、マフラー内の汚れ、排気煙の増加(後ろを走る人が可愛そう)という副作用が有り、分離給油で行きたいと考えます。

2A4 2007年12月上旬〜5L6 2011.11.

 ★発生状況 : 始動後約1時間走行時、厚木市内平坦路(60km/h制限)を、メーター読みで70km/h走行中に発生。 但し、発生10分前は約3km降り坂を同速度で走行。
 ★今回の推定原因 : 下表赤字の内容。
 ★対策後の状況 : 200km走行で、発生無し。 柳沢峠→塩山の降り坂高速巡行でも、その後のR20高速巡行でも発生無し。

★★ 点検チェックポイント ★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 最終更新 2011.11.19

分類 要因個所 発生要因 → 確認結果
エンジン
オイル
オイルポンプ  2011.11.12 5L6搭載後、オイルの消費量が殆ど無く、保険で入れていた混合オイルを入れずに約10km走行後20km/hで軽い抱き付き。
→チューブの詰まりやポンプを調べると、アイドリング時に先端のナットが赤矢印方向に全く動かず、スロットルを少し開けても同様。
→水色のネジを外し、予備ポンプと交換後、ナットは2〜3秒周期で動き、インマニへのチューブ内のオイルがスムーズに流れ、ポンプの不良と判明。 壊した推定原因は、オイルタンクのフタを、密閉タイプを使ってしまい、真空状態でも吸い続けたので、内部の吸気力が低下した?
 合いマーク位置の調整ずれ
→ エンジン載せ変え時、サービスマニュアル(SM)通りの調整であった。SM通りでは、アイドリング時の流量が少なめな為、高速巡行中のエンジンブレーキ時(アイドリング位置)流量不足で抱き付き易くなる。 アイドリング時で、写真の位置(斜めの段差に登り始めた所)に調整。 この欠点は、アイドリングの流量が少し増え、消費量が多くなる程度で、現在のところ実害無し。1K9では、この設定以降抱き付き発生無し。
 オイルポンプギヤの磨耗、歯欠け等による回転不良で、オイル供給不足となり抱き付き
 → ギヤ交換実施(ギヤの磨耗・変形は無かった)。
 → ポンプ排出量を調べたところ、アイドリング時の流量が、約30秒で1滴で少なめか不明?。 次回1k9へ載せ変え時に確認(1k9では、抱き付きが過去1回。 昨年の会津への長距離ツーリングでも起きていないので、完治と判断) → 2A4では、1k9よりオイル消費量が少ないので、この要因の可能性が、皆無では無し。 → その後1,000km以上走行し、抱き付きが無いので、この要因は無し。
オイルタンク  @タンク内の出口フィルター部の詰り
 → オイルポンプのドレイン時に、オイルの流量が問題無く、詰りは無いと確定。
Aタンク給油側の空気口の塞がり。(2011.8月追記) 
 → 2011.7月 5L6均し走行で、抱き付いたのは、GR用タンクにWサス後期の密閉型キャップを漏れ対策で使っていた為、空気が入らず、オイルの流れが悪くなった。キャップが吸盤のように固かった。
オイルチューブ  オイルタンクとポンプ間のチューブ内気泡による抵抗で、オイル供給不足となり抱き付き。。
 → エンジン載せ変え時に約8〜10mmの気泡有り → ドレインネジから気泡抜き実施 ★★★今回抱き付きの最大要因★★★

 ★純正の黒いチューブを使用している場合は、この気泡を見付ける事が出来ないので、かなり要注意!!!!!!!!。
腰上 プラグ  プラグの熱価が小さく異常燃焼で、抱き付き(NGK HP参照)
 → 高速巡行対応で、標準BR7HSより熱価をUPして、BR-8HSを常用。 抱き付き直後の写真左のように黒く、異常燃焼の跡が無いので、この時点での要因は無い。
 夏は、気温による濃い目セッティング(下術参照)のかぶり改善で、BR-7HSを使用中。
シリンダーヘッド  カーボンの堆積で、圧縮が高くなり、異常燃焼で、抱き付き
 → カーボンは殆ど無かったので、この要因は無い。
ガスケット(ヘッド側)  ガスケット再使用+規定オーバーの締め付けトルクでのヘッド固定で、ガスケットのリム厚が薄くなり、燃焼容積が減り、圧縮が高くなり、異常燃焼で、抱き付き
 → ガスケット新品、規定トルクで固定していた。 異常燃焼の跡が無く、この要因は無いと推定。
ガスケット(腰下側)  ガスケット異物等による隙間から2次エアーを吸い混合比が薄くなり、抱き付き。
→ 発生直後のプラグ焼け具合(写真上)が、濃い目の黒い状態なので、この要因は無いと推定。
→ 隙間からのオイル等の漏れは目視で無く、ガスケットは毎回純正新品を使用し、液体ガスケットも両面に塗布して密着性をUPしているので、この要因は無いと推定。(燃費向上にも寄与)
シリンダー  前回抱き付き時の深い縦傷による、オイル潤滑不良による抱き付き。
 → 前回までに、爪で引っ掛るような深い傷は無かったので、この要因は無いと推定。
 各ポートの鋭角部、排気口カーボン堆積によるピストンとの当りでの縦傷で、オイル潤滑不良による抱き付き。
 → カーボン除去、ポートエッジ部全面C面取り実施済みなので、この要因は無いと推定。
ピストン  新品ピストン組み込み時に、鋭角部のC面取りをせずに取り付け、キズが入り、オイルの被膜が切れ、潤滑不良で抱き付き。  → 鋭角部全面C面取りを実施済みなので、この要因は無いと推定。
 シリンダーとのクリアランス規格オーバーによる、首振り現象で抱き付き
 → 規定範囲内でボーリングで、要因は無いと推定。
 シリンダーとのクリアランスが規格内でも、小さ目なボーリング加工指定で、当たりが出や易い。
→ 交換後の均し走行で、累計約100km走行後、当たり取りを行わなかった。 → 今回耐水ペーパー#400でクロス状に研磨したので、今後はOKと推定。
腰下 クランクシャフトのオイルシール  オイルシール取り付け等の不良による隙間から、2次エアーを吸い、混合比が薄くなり、抱き付き。
→ 今回発生直後のプラグ焼け具合(写真上)が、濃い目の黒い状態なので、この要因は無いと推定。
→ ポイントカバーを外し、フライホイール側から覗き、オイルの漏れが有れば、左側クランクケースのオイルシールの取り付け等が原因。→ 今回OK。
→ アイドリング中にミッションオイル供給口のキャップをゆっくり外した時、中のオイルが噴出す場合、右側クランクケースのオイルシールの取り付け等が原因。→ 今回OK。
コンロッド  コンロットガタによる、ピストンの共振で、抱き付き。
→  今回このガタは、サービスマニュアル規定内で、この要因は無いと推定。
吸気 パワーフィルター  フィルターの外れや、取り付け部の隙間による吸気量のUPで、混合比が薄くなり、抱き付き。
→ 取り付け不良無し。プラグ焼け具合(写真上)が、濃い目の黒い状態なので、この要因は無いと推定。
インマニ周辺 ガスケット不良などによる隙間から2次エアーを吸い、混合比が薄くなり、抱き付き。
→ プラグ焼け具合(写真上)が、濃い目の黒い状態なので、要因は無いと推定。
メインジェット  番手が最良設定より小さく、混合比が薄くなり、抱き付き。
→ プラグ焼け具合(写真上)が、濃い目の黒い状態なので、この要因は無いと推定。現在最上の#300を使用。⇒ 夏は調整要の場合有り。 

  季節の変化(平成20年8月追記)
⇒ 気温、気圧、湿度の変化で、混合気が薄いセッティングになり、抱き付き。
      夏の現在は、始動直後のカブリが酷く、暖気後もフルスロットルでカブリ気味となり、冬の抱き付き対策のキャブセッティングのままでは、日本一の峠越えなど辛いと思い、再セッティングを実施。 その前に何故夏はカブリ気味になるか?、理論的に考えないと、また大事なピストンを痛める事態になると思い考察しました。
 
 まず、キャブで空気とガソリンが混合されたミスト状の混合気は、体積と等価的に考える事ができ、状態方程式で示すと、PV=NRT (P:圧力、V:体積、N:分子量、R:定数、T:温度)で、 式を変換して体積Vで示すと、
               
気化量 V = NRT / P 

 となります。 この式からガソリンの気化量は、温度に比例して、圧力(気圧)に反比例します。 この式から気温が高くなる夏は気化量Vが増え、濃い目のセッティングになります。 冬の気温15℃くらいでセッティングした時と30℃超えの今では、2倍の気化量(2倍の濃さ)に理論上なります。 去年の秋日光のトンネル内で抱き付いたのは、中の気温が外より体感温度で-10℃程度有り、気温の急低下で薄いセッティングになったのも、要因の一つと思われます。 日光以前に、正丸トンネル出口付近で抱き付いたのも同様の可能性があります。
 また、圧力Pは気圧に相当し、標高が高いと気圧は反比例して低くなるので、気化量Vは大きくなり、濃い目のセッティングになります。 峠など標高の高い場所で吹けなくなるのは、濃い目になり、かぶっているのが原因と考えられます。 
 この式に無い湿度も要因として有り、キャブレター内の容積は一定なので、湿度が高いと、相対的に空気(酸素)の許容容積が減り、ミスト状の混合気は一定なので、酸素の少ない混合⇒濃い目になります。

以上をまとめると、

要 因 高 い 低 い
気 温 濃い目 (夏) 薄い(冬)
標 高(気圧に反比例) 濃い目 (峠) 薄い(海)
湿 度 濃い目 (雨) 薄い(快晴の冬)

となり、薄め過ぎるセッティングに注意が必要となります。 快晴の冬に湘南を走る時は、セッティング確認をした方が良さそう?と記憶しておくと、忘れないかもしれません。

オイルポンプギヤ交換(平成20年1月4日)

結局ギヤは、問題ありませんでした。

 今回交換する部品です。(部品情報参照)
 写真左は、交換前のポンプのギヤです。 写真中は、Eリングを外して、ギヤを外した所です。 写真右は、新旧並べた様子で、ギヤの磨耗・変形はありませんでした。
 写真左は、クラッチ交換以来、久しぶりに眺めたクランクケース内です。 赤矢印のギヤが、オイルポンプのギヤと噛む相手です。 写真右は、そのUPしたところで、ギヤの磨耗キズ等無く、OKでした。

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オイルポンプ排出量確認(平成20年1月4日)

 オイルポンプの性能が劣化しているのではないか?と思い、ポンプの排出量を調べました。 

 まず、約1リットル残ったガソリンタンク内に30:1程度になるようにオイルを入れ、良くかき混ぜ混合仕様にします。 次に、インマニのオイルポンプからのチューブを外し、ここから2次エアーを吸わないように、写真左のようにチューブの先を塞ぎます。 この状態で、エンジンを始動して、アイドリング中のオイル排出量を、写真右のようにして見たところ、25〜30秒で1滴落ちる程度でした。 これが正常か否か文献が無く、次回1k9載せ変え時に同様にして測り、調べてみようと思います。  実際は、エンジンからの吸気で、流量は多くなるはずです。

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