レビュー。

Sugar Pot刊行物


真・鬼神伝
(2003/6)(まんが)

サモンナイト本です。
僕は本日ようやっとサモンナイト2を遊び始めてみたところですので、知らぬことばかり。
そういう視点でのレビューになりますがご勘弁くださいませ。
さて。
最初はタイトルから想像して、鬼神のように強い人とかが出てくるのかしらん、などと考えていましたが、しっとりとしたいいお話でありました。「アカネとシオンの忍者師弟本」との言葉どおり、師弟本でありました。まさに師弟本。
常々、僕も「先生」や「師匠」が欲しいなあと思っている身でありまして、その僕の想像する「いい師弟」の姿が描かれております。
人当たり良さそうだけれども底の部分は得体の知れない師匠と、師匠を信じているけれど盲信しているわけではない弟子の物語。
お師匠と同じ人生は歩めないと思っても、お師匠は永遠にお師匠。そういう関係って、いいなあ。
あと、アカネさんの服が微妙にジャージっぽいのがすごくかわいらしい。ああ、いいなあ。
ともあれやっぱり僕も若いうちに師匠などを作っておくんだった。
年上の人と付き合う機会がなかったのが、かえすがえすざんねんだー。

読み終えて即座にタイトルの意味が判るわけではありませんが、作中にてどうにも爪などを隠しているっぽい師匠先生は、かつて鬼神のような人だったのかなあ、などと、想像して楽しんでおります。

(ちなみにサモン2、主人公の属性を決めるところで、説明中に「シノビ」の文字を発見。ふらふらっと主人公属性を「鬼」にしてしまいました。うふふ。うふふふ)


はいけい、マスター
(2003/8/15)(まんが)

こちらもサモン本。前作が、一冊の中で「前・後編」という構成だったのに対し、短編がたくさん集まった感じであります。
各漫画の小題が見当たらなかったので、「サモンナイト1に出たけれど2に出られなかった人たちがやさぐれる話」という代名詞になってしまうことをお許しいただきたいものですが、ともかくその話。
その話がたいへん面白かったです。
サモンナイトを遊んでいない僕が面白かったのだから、遊んだ人はもっと楽しいに違いないと推測します。
やあ、もともと僕は物語中のキャラクター同士が「出番」があるとかないとかでなんだかんだ言いあうような話が好きなのです。
舞台裏を覗けた気がして楽しいんですね。
この手の面白さって、やっぱり二次創作じゃなきゃ出ないような気がするなあ。

そして、前作と違って今回はコマのそこかしこに沢山のキャラが存在を主張しておられます。
みんながみんな好き勝手なことしてる様子ってのが、これまたいいなあ。
物語の筋に焦点が合ってないとかそういうのじゃなくて、これこそが「楽しそうな空気」を描くことになるんだなと思いました。

あ、あと、サモンナイトで遊んだことのある人に見せたら「愛だね、愛!」と言っておられました。僕もそう思います。愛っぽい。


ハピデイ
(2003/8/15)

のっけから言ってしまいますが、頂いた中でこの本が一番好きです。
ちゅーか、冒頭一コマ目の、もち食ってるハサハがかわいらしすぎるんです。
食べてるのが「もち」ってのがなによりいい。
なに食べてるかは説明されないので、もしかしたらもちじゃなくてはんぺんかもしれないけれど、はんぺんだとしてもすごくいい。
となりでご主人がそば食ってる横でもちを食うケモノ耳。それもちょっと頼りない感じの箸づかい。かわいい。
これはいいですよ!
ケモノ耳の魅力全開であります。きっとハサハはお雑煮の中のもちだけをより分けて食うのが好きに違いありません。
蕎麦屋でもちを食うという行為は、本当にもちが好きじゃなきゃ出来ない行為だと思うのです。
そして、もちを食うハサハの幸せそうな表情ったらないや!
と。
なんかハサハともちのことばかり書いていてスイマセン。
でも、「はいけい、マスター」のレビューでも少し触れましたが、こういう、物語の筋とは関係のない部分にちらっと見え隠れする部分こそが、作品の楽しさに繋がるんじゃないかと思うんですね。
逆に言えば、こういう隅っ子がここちよいもので、つまらないものはないんじゃないかと思うわけなのです。

さてさて。
肝心のお話ですが、真・鬼神伝にも出ていたシオン師匠が「シルターン友の会」を結成する話。
たぶんゲーム本編にはそんな「友の会」はないと思うのですが、なんか出てる人が皆楽しそう。
これこそ舞台裏。正しい二次創作のように思います。たいへん面白かったです。
出てくるキャラのほとんどを知らない僕のような人間でも楽しめたというのは、キャラの特徴がうまくとらえられているからなのではないでしょうか。
あと、真・鬼神伝に出ていた二人が出てたのも多分大きいです。

それとあともう一本、サモンナイト1のプロローグの少し前のお話などが収録されておりました。
こちらはこれから物語が始まります、という感じのところで終わっていたので、続きが気になるー、と思ってしまいましたが、サモンナイト1を遊んだ人にはまた別の感じがあるんじゃないでしょうか。

そういうわけでサモンナイト2ではハサハ一直線です。


ヲベロン拝