あとがきのように

ええと、こりゃなんといいますか、たしか書いたのは2003年の夏でした。

このころ、「大人の使う一人称」というものについてぼんやり考えたりしていて、
たぶんその答えは、公的には「私」なのだろうけれど、
たとえば男の人が改まった時だけ「私」をつかうのは、その場面において人間味を消しているような、
ちょっと改まりすぎているような、すこしわざとらしいような気がしていて。

普段の生活でも、改まった場所でも、つねに同じ一人称を使う(同じスタンスでいる)、というのが割と僕の中では
とても、シンプルで、全ての生きる時間が地続きな感じで、よいなあ、と思っていたのであります。

で。
そういう感じの女子の話を書こうと思って書きました。


かいせつのように

幾つか感想を頂いた中に、タイトルが「ひらがな」というのはとてもよい、というような感想がありまして、
小躍りしたものであります。
でもって、この本はいまだ、イベントなどに持ってゆくとちらほらと買ってくれる人などがいまして、
こう、悪くないんじゃないかなあとか。
思う次第であります。

手前味噌で御免。
でも、初めてつくった本にしては、けっこうかわいらしくまとまったんじゃないかな。
とか。
思ってます。

小説トップへ

サイトトップへ>