破れかけの翼をつけて夢にさえ彷徨うことを許さなかった

 

剥き出しのひざこぞうからさびしさが壊れた楽器みたいに笑う

 

泥んこのハニーのおうちわがままを言ってばかりで見つからないの

 

くるめない中身であった 春の日の自爆装置のドラム缶だけ

 

誰のものでもない君だったピンク・ソーダの泡はじけて初夏(はつなつ)

<< back | index | next >>


Photograph by Emi Komagata

Tanka by Yukinori Ikeda, Rin Ekuni, Rie Satoh, Masami Sawamura, Akemi Nakamura, respectively.