写真家駒形江美さんの写真に、同世代の歌人7人で同時に短歌をつけました。一枚の写真に一首の短歌を添えるという試みは今では新しいものではありませんが、今回のような大きさやルールで行われたことはなかったように思います。歌人が五感のどこを発揮して写真に接近するのか、写真のどこに依拠して詠うのか、被写体なのか、背景なのか、色なのか、形なのか。写真に隠れているものをどこまで捕まえるのか、写真にあるものをそのまま説明的に詠ってしまえば、写真の写真としての価値を落としてしまうのではないか、皆が写真との距離の取り方に四苦八苦しましたが、それを楽しみに変えて制作できたのではないかと思っています。慣れない企画なので、協調表現としての出来不出来もあるかもしれませんが、そのような制作の過程も含めて読者の方々にも楽しんでいただけたら嬉しく思います。(文=池田行謙)
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