_____新宿曙橋「さぬきのうどんや」_____

●手打ちさぬきうどん「さぬきのうどんや」
東京都新宿区住吉町6-12
03-3350-9688
都営新宿線曙橋駅徒歩1分
定休日・土、日、祝日
営業時間・昼11:30〜14:00、夜16:30〜20:00

 


<FirstImpression>

 Dancyu99/10月号で紹介された「さぬきのうどんや」。これは早速行かねばならぬと計画していた矢先、讃岐うどんMLで情報が流れた。「たけやすです。本日、12時ころ新宿区住吉町「さぬきのうどんや」偵察に出撃します。ま、こんな時間こんな場所にたまたま、来てる人いないと思いますが、見かけたら声をかけでください。赤いバラをくわえてうどん食ってます・・・うそです。白いワイシャツのずんぐりむっくりの紺ズボンのひげです・・わかるか、そんなんで。ということで・・」、、、う〜ん先を越された(^^;。しかもうまそうなのよ、その報告が、、、。

 その日の夕方、たけやす氏の報告に我慢できず行って来ました。するとそこでは、な、なんとたけやす氏がうどんをすすってるではないか!!!なんで昼来てまたいるの?(^^; 早速私もぶっかけを、、、う〜んうまい!チョ〜うまいの2乗!

 てなわけで今回は趣向を変えて、「たけやすレポ」をお届けします。私はこの文章を読んでよだれが止まりませんでした。ではみなさん「讃岐うどんML極東地区隊長たけやす氏」のレポートをどうぞ!ありがたがって読むように!!(写真は後日私が撮りましたので、文章とは多少違います。)

 

評価  4つたけやす

 

 一度やればもうベテラン、二度もやったら、プロフェッショナル・・とばかり、「昼休みのうどんや超音速偵察」に行ってきました。毎度のちょびフライングで、営団有楽町線に乗った私は、なんと、今日も地図を忘れてしまっていた。しかし、お店の住所はわかっている・・(^_^)しかも、駅から1分ということまでわかっている。駅から1分という情報はありがたい。付近一帯をじゅうたん爆撃しても、目標物発見に至る可能性が極めて高いからである。

 さて、都営新宿線曙橋駅。A2出口を出てブリキの板に書いたような戸別地図を眺めるとそこには「さぬきうどん」の文字が・・「楽勝!」と、その地図に従って店を探すが、なんか現状と食い違いが多い。目の前の大きな通りを渡るとなるほど町名表示は住吉町1と書いてある。目指す店は住吉町6-12だから、もうちょっと先か?と、てくてく歩くが、住吉町はほかの町名とでかい道路にはさまれてだんだん狭くなっていき、三角形の一角を最後になんと住吉町2までで忽然と消えてしまう。あれぇ?こんなことをしていると、昼休みが終わってしまう・・・ちょっとばかり焦るが、ここで焦ってしまっては、敵のおもうツボだ。

 仕方がないので、さっきの戸別地図まで戻ろうと、地下鉄出口に向かって歩き始めると今度は別の近代的区画地図を発見。それを見ると住吉町6はいま自分が立っている場所だ・・・周りを見回すと、なんと目の前に目標物の富士銀行CDコーナーがある。おや、さっきのとこのすぐ近くじゃん・・と行ってみると、なんと、さっきブリキの戸別地図を見ていたときに後ろを振り返れば、そこには目標物とうどん屋の看板がほぼ見えていたのだ。

(表の看板。これが目印)
(入り口)
(MLステッカーも貼ってあります)

 こじんまりとした「さぬきのうどんや」は新宿区の大通りを少しだけ外れたところにひっそりとたたずんでいた。店構えも質素なつくりで、まるで香川の田舎町の一角から町のうどんやをそのまま移築したような雰囲気だ。

 dancyuに載ったばかりだから、店の外に10人くらいの行列が・・・と覚悟していたのに、なんとカウンターには空席がある。私はまず、席につくとかぺに掛かっているメニューをすばやく確認して、ざるときつねを頼む。ざるは海苔が掛かっているとのことなので、のり無しを注文。

 そこで、カウンターの上に並んでいるてんぷらから、いかとレンコンを取る・・といっても、店のシステムでは自分で取るのではなかったようだ。わたしは、あたらしい箸を使って自分で、いきなり取ってしまったが。そのてんぷらに醤油をちょびっとかけて、食べながらメニューを見渡しているともう、ざるが・・はやい。てんぷらは、ねたがどうだとか、ここだけの・・とかいうものはあまり感じないが、油がとてもすっきりしていてネタも大きくて、とてもおいしいてんぷらだ。牛蒡やかき揚げその他、種類も豊富でとてもよい。なにが?ということはないが、気にいった。

(メニューは300円〜680円。チョ〜安い)
(カウンターには天ぷらが。勝手に取らないように)

 ざるがこんなに早いからといって、いやな予感はゼロだ。なんせ、さぬきのうどんやだもんね、ここは・・カンケないな。ざるを受け取って、2〜3本そのまま食べてみる。なかなかよいではないか?太さは比較的細め。細打ちというほど細くもなし。色は薄黄色。さか田より黄色はうすい。香りは、ほんのちょび。がっちり、しっかりしたコシはないが弾力は十分。舌触り、のどゴシはなかなかよい。似てるうどん食ったことあるな・・・という気がする。

 すぐに続いて、きつねが出てくる。まず、だしをすする・・「薄いだし。」と、つぶやいた次の瞬間、鼻口の奥にある香りの揺り返しが・・・!!こ・こ・これは?この香りは?なんと・・あの、久保の出しそっくりではないか?ちょっと、塩辛さが少ない、ちょっと出しの香りも少ない・・が、これはほとんど番町久保の出しだ。だしの深さにして、2センチ弱も飲んだだろうか、だしの追求に没頭してしまった。

 つぎに、うどんにかかる。温かいうどんの方が、コシを感じる。弾力、伸びは逆に少なくなった感じがする。しかし、結構いける。きつねの味付けは、甘辛濃さがよいバランスだ。温かいうどんは、どんどん伸びてしまうので、どんどん食う。だしも飲み干して一丁上がり。

 次にざるの本体にかかる。この辺から、きょうもまた「三連発」を意識して、次何食おうかな?と考えつつざるを食う。最初に、試食してから時間にして、3〜4分くらいだろうか?表面の水が吸収されて少し弾力が落ちてきている。わたしは、スピードアップして食った。「うどんはこやって食うんじゃ食い」をした。

 この細さの、この弾力のめんが従順に五感を刺激しながら胃袋に収まっていく感覚・・・これも、久保の「そのまま・特大」の世界を蘇らせるものがある。こちらは麺自体の塩気が少ない。でも、食感はよく似ている。ざるの付け出しは、醤油の辛さがちょっとマイルドなのと、出し臭さが表面に出ていない点が久保より上品な感じを与える。がしかし、、味の世界に、山の中の採石場みたいに、すっぱり山を切り取ったかのようながけっぷちを思わせる味の切れ目があるのが、久保とおなじ感覚だ。

(ざる。つるつるもちもち)
(冷たいぶっかけの明太子。一番高い)
(釜揚げ。うまいよ〜)

 ざるを食べ終わると、私は「おろしぶっかけ、冷」を頼んだ。お客さんは間断なくくる。先ほどから、空席が一つできるかできないかで、並ぶお客さんもいない・・という、よい回転状況が続いている。どっかで聞いたことのある話だが・・そういう状況なので、大将は数人分のうどんを さぬき特有のたも網を使って連続茹でしている。今度のぶっかけは、ラッキーなことに茹で立ちだ。おばさんにきつねのどんぶりとざるのさらとてんぷらのさらと・・を返していると、後から来た隣のお客さんがびっくりしたような目で私を見ていた。しかし、これはまだ序の口。この後すぐ、彼はもっと、アンビリーバボーになるのであった。

 さてさて、茹で立ちのおろしぶっかけが来た。そのお客さんのお・・じゃない、なめこおろしうどんも同時に出てきた。わたしは、ぶっかけをそこから混ぜくり返す。だしをちょっとすする。付けのだしと同じだ。ぶっかけになるとちょっと薄めや、甘めにアレンジしてあることが多いが、ここはつけ出しそのままである。そして、よく混ぜておいて、うどんを箸ですくったかなり太い束にかぶりつく。すすりこむ、少し残った長いのは、歯と唇で手際よくスパッと切る。そして、くっちょくっちょくっちょ・・ごくん、と、噛み約三回で飲み込む。さっきのざるより芯の弾力が数段強く、コシもある。ああ・・現世極楽・・即身成仏・・人工呼吸(?)の世界だ。

 つづいて、またかなりのボリュームを一気に食む。隣のお客さん、私の食い方が気になってちろちろこっちを見ては、自分のうどんと見比べている。はっきり、いって私もいまや「どうだ?」はどうでもよかった。茹で立ちは、「うまい・・・」これで一杯であった。自分でも、あっという間だな・・と、自覚するくらいあっという間にぶっかけを食べてしまった。

 そして、冷水をぐいっと飲み干すと、勘定1370円也を支払って、驚いているお客を残して店を出た。ま、三杯目であの勢いは「アホ」としか言いようがないであろう。でも、このすこぶる腹の納まりのよいかつ弾力のよいうどんを欲して、腹はまだ不服そうであった。この感覚、番町久保にそっくり・・・大将、あそこで修行したんちゃうかな?・・それは、もはやわたしの腹の中では確信に近いものがあった。(後日談:大将の修業先はさぬき麺業でした)

 香川では、山越はすばらしいとおもうが、帰省したら番町久保のそのまま特大も食べる・・・という、わたしの趣味から言うと、うどんの香り、味わい、弾力、コシなどでさか田はすばらしいが、このさぬきのうどんやのうどんは毎日昼、たらふく食べたいうどん・・・という感じでしょうかね。さか田毎日食べても決して「不幸」にはならないのであるが・・・

 MLでも番町久保の人気が今ひとつなのを見てみても、ここのうどんに「感激ー!」とか「うおぉぉぉっつ!を求めると「あれ?」になる可能盛大だが、私の好きな「腹の納まりのよい、弾力系」という観点では、でですけ抜きましたね。値段も東京価格として」は、ざる400円・・・しかし、大盛り(1.5玉)100円アップ、2玉では150円アップですからCPいいですし・・なので、エブリデイ・ランチにも耐える価格です。これから昼飯はまるかも・・・

 行き方まとめておきます。都営新宿線曙橋駅、A2出口を出てすぐ右折、最初の角の東京三菱銀行と富士銀行のCD専用コーナーの間の路地風の道をまがると、なんとそこにはもう「さぬきのうどんや」の看板が・・・という、駅からめちゃ近です。

 夜の味もも確認しとかんとな・・・ただ、酒は置いていないようでした。 

byたけやす(讃岐うどんML極東地区隊長)

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