Bi-ta
ビータな日々

_____ハタ坊のツーリングレポート_____

能登の実家に帰省編/往路
実施日'99.5.11


 目覚まし時計を手荒いしぐさで止める。朝5時、今日は実家までのロングツーリング。「よし、天気も良さそうだ」心なしかウキウキしている自分がいる。隣で寝ている彼女を起こさぬよう、そっとベッドから抜けると僕は出発の準備を始めた。(よしよし、カッコイイ書き出しだぞ)

 朝6時、バイクにまたがりキーを廻す。「さあ、行くか。今日も頼むよ」と、タンクをポンとたたく。ツーリングの時のおまじないみたいなもんだ。中央高速に乗り込みアクセルをふかす。「何時に着くかな?まあ高い高速料金を払うんだから、ゆっくり行こう」と、はやる心を落ち着かせる。早朝だけあって八王子を過ぎると車は少なく、さらに空気もいい。山梨にはよく走りに行くのだが、いつも走る国道20号とは景色が違ってこれまた新鮮。久々にいい気分だ。

 前回帰省したのは昨年9月。このときも急に思い立ってバイクで帰ったが、その時は関越自動車道〜北陸自動車道と、新潟経由で帰った。しかしあまりにも「でかすぎるぞ新潟!」だったため、今回は中央自動車道で長野豊科まで。そこから国道148号(糸魚川街道)〜北陸自動車道〜能登道路という経路で行くことにした。過去に一度通った道よりも、知らない道を走る方が、なぜかワクワクして楽しい。特に遠方の道は、二度と走れないかもしれないしね。バイク乗りなら多分みんなそう思ってるんじゃないかな。そして僕はいつの日か日本中、全ての道を走り切りたいと密かに思ってたりする。

 山梨双葉SAで朝飯&休憩。この時期、藤棚がとても綺麗だ。こんなりっぱな藤棚なんて学生の頃、校庭の片隅で見た以来かも。何か得した気分。「早起きは三文の得」とはよく言ったものだ。平日にかかわらず各SAはもう結構な人で、バイクもあちこちで見かける。中には東京〜京都日帰りツーリングなんて人もいて(SUZUKIの逆車に乗ってた)、ややあきれる。相手もこちらの行き先を聞いて驚いていたが。

(双葉SA)
(双葉SA)
(諏訪SA)

 長野豊科インターで降り、ギアを落とす。空気が急に変わった気がした。春の日差しがじんわりと染みていき、とても気持ちが安らぐ。2年前の夏にもこのあたりは来ているが、安曇野の春はまた違った様相を見せてくれる。東京とは違いとても空気が爽やかで柔らかだ。春の遅い信州では今が春爛漫な感じだ。(個人的には真夏のジリジリした、それでいて優しい風が吹く安曇野の方が好きだけど)

 国道19号から塔ノ原交差点を県道51号(大町明科線)へ。左手に鱒の養殖場が見える。この先に前回見つけたお気に入りの「道の駅池田」がある。ここはハーブセンターになっていて、レストランではハーブピラフ、ハーブスパゲッティなど、すべて生のハーブを食材として使っている。今回は時間が早すぎて、食事が出来なかったので非常に残念。生「レモングラス」のハーブティーで一服。

 オリンピック道路から国道147号(糸魚川街道)に入り大町へ。ここからは未知の土地なんでワクワクする。木崎湖、青木湖を左手に、白く光る北アルプスの峰々を雲の合間に覗きながら、憧れの白馬に向かう。

(道の駅池田)
(青木湖)
(道の駅白馬)

 しかしこの辺りからだんだん嫌な空模様に。山特有のドンヨリした天気に変わってくる。雨もポツポツやってきた。さらにこのあたりは「フォッサマグナルート」と呼ばれているほどの厳しい地形とワインディング。数年前には集中豪雨の大被害で土砂崩れもあり、復旧工事は今でも続いている。長くて急なトンネルばかりで、思わず崩落事故を思い出す。雨は次第に勢いを増し、とうとう新潟との県境あたりで土砂降りに。この辺りはトラックがビュンビュン飛ばしているし、雨の中では結構怖い。トンネルの中も真っ暗でかなり視界が悪い、というか見えない。「二度と来ないわよ〜」ってくらいの恐怖。おかげで糸魚川まで一枚も写真が撮れなかった。何とか糸魚川インターから北陸自動車動に乗り込んだが、やっと空が明るくなってホッと安心。よく経験はしているが、山は気象の変化には要注意ですね。改めて確認。

 やっと日本海が見えて来る。ここまで来れば、後もう少し。そういえば久しぶりの海だ。海の香りが妙に懐かしく感じる。親不知を抜け越中境SAで休憩。もうここでは晴天になり、カッパを脱いでリアバックに押し込む。このあと進むにつれ立山連峰が左手に現れ、思いっきりのビューポイントになるはずなのに、今日は全く見えず損した気分。見渡す限り田んぼ、田んぼ、田んぼばかり。こういう景色も久しぶりだな。さすが米どころ。

 金沢東インターで降りて少し迷いながら能登道路へ乗り込む。金沢で降りるのは3年ぶりかな。以外にこのあたりは中途半端に田舎くさい。能登道路もバイクでは初めてなのでとても楽しみにしていた。いきなり広がる千里浜に感激しながら、さっきまで撮れなかったデジカメを連写する。まっすぐ延びる海岸線が素晴らしい。空も完全晴天に戻りこれからの能登路に期待を膨らませる。高松SAで休憩。ここからの景色も素晴らしい。とにかく綺麗な海だ。羽咋からは天然の藤など群生していて、能登の自然を満喫しながら走る。もう少しだ。徳田大津インターで降りて田鶴浜まで向かい、無事到着。夕方5時着、あれこれ11時間。走行距離は約580Km。

(能登道路内灘)
(能登道路高松SA)
(能登道路徳田大津)

TOP